今回は以下のような方に参考にして頂ける内容となっています。

ウィッグって色んな種類があるみたいだけど、何が違うの?
こんど髪の毛が抜ける治療をすることになったんだけど、どんなウィッグを用意したらいいの?
ウィッグの購入には助成金があるって聞いたんだけど、どういうこと?
こういった方に向けて、
このような情報をお届けしていきたいと思います。

このブログの運営者にゃんたは、こんな人です。
フルウィッグは大きく分けるとファッション用と医療用に分かれる
「ウィッグ」とひとことに言っても、大きく分けると3つの種類があります。
下記はフルウィッグの種類なのですが、❶から❸の順で価格が高くなるケースが多いです。
- ファッションウィッグ(数千円~数万円)
- (医療用)ルームウィッグ(数千円~数万円)
- 医療用ウィッグ(数千円~数十万円)
ファッションウィッグ/ 医療用ウィッグ という言葉の「定義」は、実はあいまいです。
法律などで定められているわけではありません。
言葉の「意味合い」としては、以下の2種類に分類する目的を持っています。
①ファッションウィッグ
医療用ウィッグ以外の商品で、おしゃれ・ファッション目的で作られているもののこと
②医療用ウィッグ
脱毛を伴う治療中の方・脱毛症の方の使用を前提として作られたウィッグのこと

「医療用ウィッグ」の言葉の意味をさらに深く知って頂けるよう、3つの章に分けて解説していきます。
医療用ウィッグ=本来は「Med・ウィッグ認証商品(M.Wig)」のこと
「Med・ウィッグ」とは、日本毛髪工業協同組合が制定した基準のことです。
Med・ウィッグは、「医療用ウィッグ」という名称を使って販売する商品に対して、一定の品質を保証するための基準です。
「Med・ウィッグ」が制定された背景には、粗悪品の流通があったことが記されています。
(以下は、日本毛髪工業協同組合HPより引用)
制定の背景として
抗がん剤投与および放射線治療の副作用などによる脱毛症患者に対して、毛髪業界では、脆弱・敏感な頭皮に配慮した医療用ウィッグとして販売をしております・・・(中略)
日本毛髪工業協同組合HPより引用
・・・近年、医療用ウィッグについては、インターネット販売など販売経路の多様化・複雑化が進んでおり、中には粗悪品が流通することもあり、製品の品質についての基準がない状況が課題としてされてきました。
上記を要約すると、こんな感じになります。

品質に関係なく「これは医療用ウィッグですよ!」と言って販売されていた ということです。
上記の課題を改善するため、日本毛髪工業協同組合は、医療用ウィッグ商品の品質を保証するための「Med・ウィッグ」という基準を設けたのです。
認証を受けているメーカーは、以下のようにM.Wigマークの説明ページを設置しています。

日本毛髪工業協同組合のホームページでは、「Med・ウィッグ」認証を受けているメーカー名を、以下のように掲載しています。

私のブログで取り扱っているウィッグメーカーは、ほとんどが上記に掲載されています。
医療用とファッション用で違いが分かるのは裏面
ウィッグを「なかおもて」にしてひっくり返すと、医療用ウィッグとファッションウィッグでは、まったく異なる造りになっていることが分かります。
ファッションウィッグを裏側にひっくり返すと、頭皮にあたる部分はこんな感じになっています。

ファッションウィッグの裏面には、たくさんの穴が空いており、縫い目や角の部分がむき出しになっています。
ファッションウィッグは本来、髪の毛がある方の使用を前提としています。
地毛をまとめた上からネットをかぶり、その上から着用することを想定して作られています。
このような造りになっていても、とくに問題ないのです。
つづいて下記は、医療用ウィッグによくある裏側の造りです。
敏感になった地肌への影響を考慮し、凸凹のない滑らかな造りになっています。

下記は、ピンクエイジの医療用ウィッグの紹介画像からお借りしています。
裏面全体がフラットな造りになっているのがわかると思います。

医療用ウィッグの裏面は、治療で髪の毛を失った方や脱毛症の方が使用することを想定して作られています。
造り以外にも、裏面の生地に使用する素材についても規定されています。
▶参考|医療用ウィッグ安心安全マーク|日本毛髪工業協同組合HP
脱毛するならウィッグは必ず用意したほうがいいのか
私自身は、「脱毛中にウィッグを使わない」という選択肢はありませんでした。
大きな理由としては、髪の毛がない状態だと、今まで着ていた服を着て出かけるのに不便だったからです。
下記は、2020年の治療による脱毛中に、ウィッグと着物で初詣に行った際の写真です。

個人差はありますが、多くのケースでは治療中であっても、体調が良いときには普通にオシャレをしてお出かけできます。
私と同時期に脱毛を経験された方のなかには、ウィッグを使わずに帽子などで乗り切った方もみえます。

ウィッグが必要かどうかは、ご本人の考え方や、治療中の過ごしかた・仕事の内容などによると言えます。
参考|脱毛中にウィッグ「使わない派」の外出時は?
脱毛中にウィッグを「使わない派」の方は、外出時は普通の帽子をかぶったり、下記のような髪の毛つき帽子や、専用の医療用キャップを使われるケースが多いです。



私も家の中では、上記のようなケア帽子をかぶって過ごしていました。
急に宅配便が来た場合などを想定して、玄関周りにサッとかぶれるタイプの帽子があると便利です。
ケア帽子・医療用帽子については、別の記事で用途別の人気商品をご紹介しています。
気になる方はぜひごらん下さい。
▶人気の医療用帽子をご紹介!おしゃれな外出用や髪の毛付きもあります◯
医療用としてウィッグを使う方に知っておいて欲しい知識
こちらの章では、ウィッグを医療用として使う方にぜひ知っておいて頂きたいことを取り上げていきたいと思います。
具体的には、健康保険と助成金関連のお話になります。
はじめに|私はFP2級所持者です
健康保険や助成金関連の説明を始める前に、私の所有資格について簡単に触れておきます。
私は、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)という資格を持っています。

FP資格ではお金に関する勉強をするのですが、2級では健康保険や医療費控除など、医療に関係する分野についても深く学びます。

自身の経験から、FPの試験範囲の中でもこの部分だけは絶対に忘れないな~と思いました。
医療用ウィッグ購入費用は、健康保険適用「にはならない」
「医療用ウィッグ」という名称は、「ファッションウィッグ」との違いを表す「ジャンル名」です。
しかしなかには「医療用」という名称がつくことから、誤った解釈をされるケースがあります。
よくあるのは、下記のような勘違いです。
残念ながら医療用ウィッグの購入費用は、
・健康保険の適用にはなりません。
・医療費控除の対象にもなりません。
理由としては、ウィッグの購入は「医療費」にはあたらないからです。
ただし、自治体によっては「ウィッグ助成金制度」を独自に設けているところもあります。

実際に、私が暮らすエリアではウィッグ助成金制度を導入しており、私もウィッグ助成金を受けた一人です!
ウィッグ助成金制度|「がん患者さんの」ウィッグ購入費用補助
自治体によっては、「がん患者さんの」ウィッグ購入費用に対して、助成金制度を設けているところがあります。
ウィッグ助成金制度については、がんと診断された時点で、通院先の看護師さんなどから説明されるケースが多いです。

お住まいのエリアが該当しているかどうかがご不明な場合は、各自治体のホームページをご覧下さい。
ウィッグ助成金制度の例|東京都港区の場合
こちらでは例として、東京都港区のウィッグ助成金制度の説明ページを引用させて頂きます。
出典:がん患者等外見ケア用品購入費等助成のご案内|東京都港区HP
助成を受けることができる方
次の全てに該当する方
- 申請日の時点で区内に住所を有すること
- がん等の疾病の治療や傷病などに伴う外見の変化により、就労、社会生活等に支障があり、又は支障が出るおそれがあり、外見ケア用品が必要となっていること。ただし、加齢によるもの、男性型または女性型脱毛症は除く。
※対象者が未成年者の場合については、親権者が申請してください。
助成対象経費
ウィッグ、帽子、胸部補整具、エピテーゼ等の外見ケア用品の購入費及びレンタル料。
※いずれも医療用に限りません。
※1回の申請にあたり、点数制限はありません。
以下の購入またはレンタル料は対象外となります。
- 治療(施術費)、医薬品、メイク用品、装着用やメンテナンス用の消耗品
- 補装具費支給制度、治療用装具療養費等の他制度に該当する場合
- 確定申告における医療費控除で申告する(した)経費
- 他自治体にて同種の助成を受けた場合
- 送料、手数料やポイント利用分
- インターネットオークション、フリーマーケット(アプリ含む)、その他の個人間取引により購入などをした物品に係る経費
助成金額
100,000円、または購入経費のいずれか低い額
※購入経費の100円未満を切り捨てた額を助成します。
助成回数
対象者1人につき2回限り
※令和7年4月1日より前に本助成金の交付歴がある場合、追加で1回のみ申請可能。
申請期限
外見ケア用品を購入等した日(領収書等に記載の日付)の翌日から1年以内

こちらの自治体は、かなり助成金に力を入れていると思います!
これだけ助成してもらえるなら、良いウィッグを使いたいですね。
次の項からは、ウィッグ助成金のよくある疑問点について解説していきます。
Q.ウィッグ助成金制度の「対象者」はだれ?
これは、ウィッグ助成金制度を導入している自治体であれば、ほぼ同じ内容が記されています。
ウィッグ助成金制度の「対象者」は、下記に当てはまる方になります。
- 助成金制度のある自治体に住民登録のある方
- がんと診断され、現在その治療を行っている方
- がんの治療に伴う脱毛により、ウィッグなどを必要とする方
Q.ウィッグ助成金の「ウィッグ」って何のこと?
本記事の最初のほうで、ウィッグには「医療用ウィッグ」と「ファッションウィッグ」があると説明しました。
しかし、ウィッグ助成金の対象になるのは、すべてのウィッグです。
ポイントは、用途が抗がん剤治療による脱毛対策用かどうか、という点です。
自治体によっては、
✅️ ウィッグ本体
✅️ インナーキャップ
✅️ ケア帽子
✅️ 自作ウィッグ
などなど、とにかく用途(=がん治療の副作用による脱毛対策)が合っていれば、すべてOKのところもあります。
なぜ私がこちらを強調するのかというと、実際に私の周りでこんな方が見えたからです。

私ががんの治療中に買ったのは、医療用じゃなくてファッションウィッグだったから、助成金の対象にはならないでしょ?
こう思い込んで、助成金を申請しなかった方がいたのです。

もし、勘違いをしていたかも…と思った方が見えたら、ぜひお住まいの自治体に助成金制度がないかを調べてくださいね!
医療用ウィッグは人毛100%の高級品「だけじゃない」
こちらも、よくある勘違いの例になります。
「医療用ウィッグ」という名前を聞くと、なにか特別な高級品 のように感じる方がいらっしゃいます。
さらに、医療用ウィッグ=すべて人毛100%ウィッグ だと思い込んでいる方もみえます。
医療用ウィッグは、必ずしも人毛100% とは限らないです。
医療用ウィッグには、
① 人毛100%
② 人毛ミックス
③ 人工毛
3パターンすべての商品があります。

現在私が使っている医療用ウィッグのなかには、6千円台の人工毛のものもありますよ!
参考までに、下記はすべて私が使用している医療用ウィッグの着用レビュー記事になります。
▶おすすめルームウィッグ ブライトララの素肌ウィッグボブを着用レビュー!
▶ブライトララ人毛MIXウィッグ着用レビュー|40代主婦がインナーカラーに挑戦
ウィッグ・ヘアピースのご相談について
「これ、自分のケースに合うかな?」「実際の使い勝手はどうなんだろう?」
そんなふうに迷われる方がとても多いです。
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