こんにちは、にゃんたです。40代半ばの子なし主婦です。
私は20代の10年間、美容業界で美容師として働いていました。
また、美容師免許取得後3年以上の実務経験を積んで、所定の研修と試験をパスすると得られる「管理美容師資格」の所持者でもあります。
私は美容師であると同時に、病気の治療による脱毛で、フルウィッグ生活を通算3年半ほど経験しています。
今回は、私の職歴と自身の経験を交えながら、医療用ウィッグと普通のウィッグの違いについてさまざまな角度から解説していきたいと思います。
世の中にはたくさんのウィッグとその関連商品が販売されています。
医療用ウィッグという言葉の意味を正しく理解したうえで、いまのご自身の条件に合う商品を選んで頂けたらと思います。
医療用ウィッグの定義・普通のウィッグとの違いとは?
はじめに、医療用ウィッグと普通のウィッグの違いについて解説をしたいと思います。
医療用ウィッグの定義とは?
日本国内で現在「医療用ウィッグ」という名称を使用して販売されている商品は、基本的に以下の定義に合致したものを指しています。
❶ 「Med・ウィッグ」 認証商品のこと※1
❷ 「Med・ウィッグ」とは「日本毛髪工業協同組合」に加入している組合員・特別会員が製造・販売している商品のこと
❸ 「JIS S 9623」 に適合していること※2
※1 日本毛髪工業協同組合では、同HP内で「Med・ウィッグ」を設けた目的を以下のように記しています。
当該認証制度の目的は「抗がん剤投与若しくは放射線の副作用、又は先天性脱毛症及び重症の円形脱毛症」によって頭髪に悩む患者へ、明確な品質による安心安全な認証基準に基づくMed・ウィッグ製品を提供することにある。
日本毛髪工業協同組合HP
※2「JIS S 9623」については、日本規格協会HP内で以下の内容が規定されています。
主として抗がん剤投与若しくは放射線治療の副作用,先天性脱毛症又は重症の円形脱毛症によって頭髪が脱毛した頭部をカバーすることを目的に使用する医療用ウィッグ及び附属品(インナーキャップ及び両面テープ)の一般仕様について規定。
日本規格協会HP
上記※1と※2を見て頂くと分かる通り、医療用ウィッグとは
治療の副作用や脱毛症などで頭髪に悩みを持つ方を対象として、「一定の基準」をクリアして作られた商品
を指します。
さらに深堀りすると、医療用ウィッグの規定内容は平成27年の経済産業省のプレスリリースで以下のように制定されています。
出典:日本工業規格(JIS 規格)を制定・改正しました | 経済産業省HP
このページの一番下に、pdf形式で上記の資料が格納されています。
上記の資料を見ると、病気の治療中の方や脱毛症の方が使用することを前提として
・外観
・性能
・試験方法
について規定されていることが分かります。
下記が「M.wig」のマーク表示例になります。
制定の背景には、「ネット販売による粗悪品の流通」があったことも挙げられています。
以前はウィッグの品質基準がなかったため、いろんな商品が流通していたことが伺えますね。
そういった背景のなか、治療などで皮膚や肌が弱くなっている方が、安心して使える商品を流通させるために基準が制定されたと言えます。
普通のウィッグ=ファッションウィッグ その定義とは?
前項でご説明した規格の商品が「医療用ウィッグ」であるのに対し、普通のウィッグは「ファッションウィッグ」と呼ばれることが多く、そこには明確な定義はありません。
あえて定義するなら、医療用ウィッグ以外のウィッグ=ファッションウィッグ という大きな分類になると思います。
一般的に「ファッションウィッグ」と呼ばれる商品は、以下のようなものを指します。
・名前のとおり用途が「ファッション目的」「イメージチェンジ」などのもの
・マシンメイドの商品が大半なので比較的安価で入手できるもの
一般的には「ウィッグ」という言葉を聴くと、ファッションウィッグを思い浮かべる方が多いと思います。
私が治療中に使用していたのは普通のファッションウィッグです
ちなみに、私がいわゆる治療中に使用していたのは「普通のファッションウィッグ」なのです。
これには私なりの理由があります。
・当時働いていなかったので、経済的余裕がなかった
・出社の必要がないから、外観を気にする必要がなかった
・思いのほか肌が強かった
私の場合は治療中に働いていなかったことと、特に肌トラブルがなかったことから、医療用ウィッグを使用しなくても問題ありませんでした。
こちらが私が実際に治療中使用していた普通のファッションウィッグになります。
明るい色ばかりで、仕事用ではなかったことがうかがえると思います。
私の場合は、美容師としてお客様のシャンプーをしていたときも、手袋をしなくても手荒れをしない体質でした。
たまたま肌が強かったので、治療中も特に肌トラブルに見舞われることがありませんでした。
肌質には個人差がありますので、肌が弱い方には医療用ウィッグという選択肢があることを知っていただきたいなと思います。
医療用ウィッグの購入は健康保険適用になるのか?
「医療用ウィッグ」という名前がついているので、ひょっとしたら
・通院入院費用と同じように健康保険の適用になるのでは?
・医療費控除の計算に含められるのでは?
と思う方がいらっしゃるのではないかと思います。
残念ながらウィッグは医療費には含まれないので、健康保険の適用にも、医療費控除の対象にも、ならないのです…
がんの治療に係る医療費については健康保険適用になりますが、ウィッグについては保険適用にならないのです。
もちろん医療費控除の計算にも合算できません。
ウィッグの装着が、「治療目的の医療行為」に当てはまらないからなんですね。
※民間の医療保険については、各社の契約内容をご確認下さい。
ちなみに私は、自身が何度も大病や手術を経験しているので、お金や保険制度の勉強をしたくてFP2級の取得もしています。
私の所持資格(2級ファイナンシャル・プランニング技能士)については以下のページに記載してありますので、気になる方は覗いてみて下さい。
ウィッグ購入代金は健康保険の適用にはなりませんが、別の方法として「助成金を受けられる」かもしれません。
その概要について、次の章で解説していきます。
ウィッグ助成金制度は医療用ウィッグにしか適用されないのか?
医療用ウィッグについて調べている方には、がんの治療による脱毛が原因でウィッグ購入を検討しているケースが多いと思います。
その場合、お住まいのエリアによっては「ウィッグ助成金制度」が適用されるケースがあります。
実際に、私が暮らすエリアではウィッグ助成金制度が導入されており、私自身もウィッグ助成金の恩恵を受けた1人です。
⚠ここで一つ注意していただきたいことがあります。
前項までは
・医療用ウィッグ
・ファッションウィッグ
というジャンルに分けて話をしていましたが、ここでお話する「ウィッグ助成金」には、ウィッグのジャンルは関係しません。
ウィッグ助成金制度を制定している自治体では、対象者を以下のように定めています。
❶ 助成金制度のある自治体に住民登録のある方
❷ がんと診断され、現在その治療を行っている方
❸ がんの治療に伴う脱毛により、ウィッグを必要とする方
例として、東京都港区のホームページを引用させて頂きます。
出典:がん治療中の方へ|東京都港区HP
用途が「がん治療の副作用による脱毛対策」なら、
医療用ウィッグだけでなく
ファッションウィッグにも
帽子にも
ウィッグや帽子を自分で作った場合の材料費にも
ウィッグ助成金が適用される
ということです。
なぜ私がこんなことを強調して言うのかというと、実際に私の周りで
「医療用ウィッグ商品」の購入じゃないと、ウィッグ助成金は受け取れないんでしょ?
と思い込んで、受け取れたはずの助成金を申請しなかった方がいたからです。
もし、勘違いをしていたかも…とハッとした方が見えたら、ぜひお住まいの自治体で助成金制度がないかを調べてみて下さい。
助成対象品には、材質・製法・値段などはまったく関係ありません。
インターネットであれば「◯◯(おすまいの地域) ウィッグ助成金」と検索すると、該当がある自治体ならヒットすると思います。
医療用ウィッグの通販でおすすめのお店は?
「医療用ウィッグを通販で買いたい」と思って調べる方は、おそらくみなさん
「どこの通販で買えるんだろう…」
「病院に聞いたほうが良いのかな…」
と考えるケースが多いと思います。
「医療用ウィッグ」と言うと、何だか特別なお店や病院でしか扱っていない物のように思えるかもしれません。
しかし、みなさんご存知の有名ウィッグメーカーならばほとんど「医療用ウィッグ」を取り扱っていると思います。
正確に言うと、
医療用ウィッグの基準を満たした商品を扱っていて、医療用としても普段遣いでも使えるように販売している
という形になります。
実は、私がブログ内で紹介しているメーカーは、ほとんど「医療用ウィッグ」認証事業者なんですよ!!
全てが医療用ウィッグのお店もあれば、ラインナップの中に医療用ウィッグとファッションウィッグの両方があるお店もあります。
下記は日本毛髪工業協同組合HPから抜粋した、「M.Wig」認証事業者一覧表になります。
出典:医療用ウィッグ「安心・安全」マーク|日本毛髪工業協同組合HP
上記リストの中でも、私がよくブログ内でご紹介している医療用ウィッグ取扱通販ショップを挙げておきますね。
株式会社ピンクエイジ
画像をクリックすると、画像の商品ページに飛びます。
ピンクエイジのフルウィッグについては、以下の記事で詳しく解説しています。
脱毛症や治療による脱毛で、ピンクエイジのウィッグを購入した方の口コミも載せてあります。
よろしければこちらもご覧ください。
京越株式会社
こちらは社名だけ聞くとピンと来ないと思いますが、ブライトララの運営会社になります。
画像をクリックすると、画像の商品ページに飛びます。
ブライトララのフルウィッグについては、以下の記事で詳しく解説しています。
脱毛症や治療による脱毛で、ブライトララのウィッグを購入した方の口コミも載せてあります。
よろしければこちらもご覧ください。
医療用ウィッグの髪の素材は人毛100%だけなのか?
前の章で医療用ウィッグ取扱通販ショップについてご案内しましたが、そもそも医療用ウィッグは
❶ 人毛100%商品
❷ 人毛人工毛ミックス商品
❸ 人工毛100%商品
に分かれるのですが、ご存知でしたでしょうか。
なんとなく「医療用ウィッグ=人毛100%」みたいな印象を持つかもしれませんが、前項でも触れたとおり、医療用ウィッグは髪の素材については規定されていません。
医療用として選びたいのであれば、髪の質よりも直接頭皮に触れる部分の素材や造りのほうが大事かなと思います。
髪の素材について迷う場合は、ご自身の価値観や予算を踏まえて考えると決めやすいと思います。
人毛と人工毛の持つ要素・特性の違いは、主に以下の点になります。
❶ 見た目
❷ 扱いやすさ
❸ アレンジ応用性
❹ 価格
上記❶~❹を含めて、人毛と人工毛の持つメリット・デメリットを一覧にすると、こんな感じになります。
人毛人工毛ミックス商品については、素材の使用比率によって下記の要素が変わると考えて下さい。
メリット | デメリット | |
人毛 製品 | ❶見た目が自然 ❸パーマやカラーができる | ❹ものによっては 値段かなり高め(何十万円) ❷商品によってはクセが強く 扱いが難しい |
人工毛 製品 | ❹値段が安め ❷形状が記憶されているので 洗って乾かしても スタイルが崩れない | ❶ものによっては不自然に見える ❸パーマやカラーはできない |
医療用としてウィッグを探す時に材質で迷う場合は、上記の表を参考にして頂けば幸いです。
私のブログでは、髪の材質別でも商品が探せるようになっています。
髪の材質別で商品を比較してみたい場合は、以下のリンクからご覧頂ければと思います。
実際の商品ページから画像を見て頂くと、ご自身がどういう商品を求めているのかがよりクリアになると思います。
人毛100%フルウィッグ
現在ブログ内では、ブライトララの商品をご案内しています。
人毛人工毛ミックスのフルウィッグ
現在ブログ内では、アンベリールの商品をご案内しています。
人工毛のフルウィッグ
現在ブログ内では、ピンクエイジの商品をご案内しています。
まとめ
今回は医療用ウィッグと普通のファッションウィッグの概念について、よくある質問を中心に解説させて頂きました。
まだまだ医療用ウィッグについて知られていない部分があるかもしれませんので、今後みなさんの役に立ちそうな関連情報が出てきた場合はこちらに追記させて頂きます。
みなさまが治療を受けながら快適なウィッグ生活を送れるよう、微力ながらお手伝いできればと思います。
今回の記事が参考になったようでしたら、是非ブックマークをお願い致します。
最後まで読んでいただきまして、まことにありがとうございました。