今回は、経理事務に転職したい方や、起業・副業を志している方向けに、簿記3級を勉強・取得するメリットについて、幅広い視点から解説していきたいと思います。
結論から書くと簿記3級は、
と言えます。
これがどういうことなのか、実例を交えながら解説していきたいと思います。
この記事を書いているにゃんたは、こんな人です!
一般事務と経理は別の職種です!
まずはじめに、一般事務と経理の違いはご存知でしょうか。
事務職の経験がない方は、ひょっとしたらあまりピンとこないかもしれません。
一般事務の仕事内容は、事業所によって違いがあることが多いです。
小さい会社だと、コピー・お茶くみ・来客対応・社内清掃など、あらゆる雑務を含むケースもよく見られます。
必要なスキルや資格がはっきり定められないことも多いため、事務職の中では異業種からの転職者がもっとも多いポジションになります。
一方で経理は、基本的には簿記3級以上の会計知識を求められる専門職です。
会計ソフトの入力・経費精算・小切手や手形の振出・振込処理など、記帳(取引を帳簿に記すこと)とお金そのものを扱うことがメインの仕事になります。
経理とひとことに言っても、大企業ともなると経理・財務・会計と3つの部署が分かれて存在する会社もあります。
そのくらい、経理の仕事の幅は広くて奥深いということが言えます。
会社経営には簿記の知識が必要です
どんな小さな規模の会社であっても、社長か、従業員の中から誰かひとりは、経理実務を担当する必要があります。
その理由は、どんな会社でも毎年かならず決算をして、決算書類(会社の成績表)を税務署に提出する義務があるからです。
決算をしないと経営状態の把握が出来ませんし、会社が納めるべき税金の額も算出することができません。
その経理実務を行うためには、理想としては経理担当者も社長も、簿記3級レベルの知識は持っていることが望ましいといえます。
決算に関する国税庁Youtube動画はこちら
こちらは、国税庁のYoutubeチャンネル(国税庁動画チャンネル)になります。
https://youtu.be/CNEDb6O7qKQ
上記のように、決算のやり方はYoutubeなどでも説明されています。
これを見て、
ちょっと何を言っているのか分からないです…
という個人事業主の方は、税理士の先生にお金を払って決算書類作成を依頼する可能性が出てきます。
税務署では記帳・決算等説明会も開催されています
税務署では例年、全ての事業所得者(個人事業主含む)に対する決算などの説明会を行っています。
起業初期や会社を設立したばかりで、決算実務がまったく分からない場合は、こういった場を利用して勉強していく必要があります。
会社経営には、必ず決算が必要になります。
各事業主がスムーズに確定申告・決算を行えるよう、国税庁や各地の税務署ではサポート体制が敷かれています。
正しい経理処理をして、きちんと税金を納めてもらわないと困るからですね。
社長と経理はかけがえのないパートナー
経理を担当すると分かるのですが、社長であっても経理担当者には頭が上がらないということがあります。
このケースが多いのは特に、社長がほとんど経理実務を把握しておらず、担当者に経理を任せきりにしている会社です(小さい会社あるあるです)。
その傾向が強ければ強いほど経理担当者の影響力が大きくなり、業務改善などの意見が通りやすくなります。
そのくらい、会社にとって経理は重要なポジションになるため、やりがいを感じやすい仕事と言えます。
そのスタートラインとなるのが、今回のタイトルにも含まれている「簿記3級」になります。
簿記3級の敷居は低く誰でも受験ができる
今回のタイトルで掲げている「簿記3級」ですが、商業高校出身の方であればほぼ全員が合格している資格になります。
なので、そこまで難易度は高くありません。
下記は、簿記検定を主催する日本商工会議所のWEBサイトになります。
日商簿記3級についての説明が書かれています。
下記を見ていただくと分かる通り、簿記検定受験に際しては学歴や年齢は一切関係がありません。
Q2.受験するための条件はありますか?
商工会議所の検定試験では、学歴、年齢、性別、国籍は一切問いません。
日本商工会議所HPより引用 https://www.kentei.ne.jp/qa
DCプランナー1級や日商マスターなど、一部の上級試験を除けば、誰でも受験することができます。
小学生から大学生、社会人、主婦、高齢の方まで、幅広い方々が、専門的な知識・スキルを身につけて活躍するために、また、自分自身のステップアップに役立てるために活用しています。
誰にでも開かれた資格試験ということもあり、最年少では8歳7ヶ月(2023年2月当時)という記録もあります。
きちんと勉強すれば、年齢を問わず誰でも合格できる内容になります。
いきなり簿記2級を受験すると挫折しやすいので注意
今まで何らかの経理実務を経験している方は別ですが、
全くのゼロスタートから、いきなり簿記2級にチャレンジすることは、あまりおすすめしません。
その理由は、
です。
初めて簿記を学ぶ方が、いきなり2級から勉強を始めると、途中で挫折する確率が一気に上がります。
一度で合格できる割合も、かなり下がります。
簿記3級の平均合格率は30~40%なのに対し、簿記2級の平均合格率は19.2%%です。
なにを隠そう私も一度、簿記2級試験を落ちています。
下記は、簿記の合格率に関する参考資料になります。
出典:2級受験者データ(統一試験)|日本商工会議所HP
私のおすすめは、まずは3級を勉強・取得して、簿記の概念をきちんと理解してから2級に挑戦する方法です。
簿記3級の試験科目・試験時間・合格基準は?
下記表は、日本商工会議所HPから引用しています。
試験科目 | 試験時間 | 合格基準 |
---|---|---|
商業簿記 3題以内 | 60分 | 70%以上 |
こちらの表、かなりざっくりしていますよね。
ただ、試験時間が60分に設定されているように、そこまで問題の範囲や量が多いわけではありません。
分かりやすい例でいうと、高校の期末試験の中の一科目みたいな感じです。
高校の期末試験も、日程が近づいたら勉強しますよね?
あの感じとそう変わらないんじゃないかな、と個人的には思っています。
簿記3級の具体的な出題範囲については、日本商工会議所HP内の下記ページからpdfで参照できるようになっています。
ただしこちらも、ちょっと見づらいのです…。
実際よりも、出題内容を難しく感じさせるような書き方かな??と思います。
これだけ見ると、ちょっとやる気をなくしそうなので、私としては自分に合う教材を見つけることが第一歩だと思っています。
簿記3級を市販の書籍で勉強したい方
あまりお金を掛けたくないし、難易度から考えても、自分なら書籍があれば十分理解可能のはず‼ と感じる方には、以下のような書籍をおすすめします。
おそらく、書籍タイプの教材で一番売れているのは、こちらになります。
テキストの中身はかなりカラフルで、勉強に慣れていない方でも読みやすい外観を意識して構成されています。
電車移動中など、スキマ時間で予習復習できるアプリもついています。
カラフルで視覚的な印象に残りやすいので、初めて勉強する方にとって入りやすい教材かなと思います。
簿記3級を通信教育でしっかり学びたい方
社会人になって久しく勉強から遠ざかっているなど、
こんな方にオススメなのは、サポート体制万全な通信教育です。
たとえば、ユーキャンはCMでも広く知られているとおり、多岐にわたるジャンルの教材を扱っています。
ユーキャンは1954年創業の、通信教育のパイオニア的存在でもあります。
わたしはFP2級の取得時に、ユーキャンのお世話になっています。
テキストのボリュームも程よく、何度か添削もついているので、漏れなくしっかり学習することができました。
≫FP2級所持40代主婦が実際に役に立っていること5選
ユーキャンの教材費の中には、以下の手厚いサポートが全部含まれています。
・メールや郵便でご質問が可能です。指導スタッフが優しく丁寧にお答えします。
出典:株式会社ユーキャン 楽天市場店
・インターネット指導サービス「デジタル学習サイト」をご利用いただけます。
・受講開始から12ヵ月まで添削指導、質問など全ての指導サービスをお受けいただけます。
私が使っていたFPの教材も、外観はこんな感じでした。
ユーキャンの簿記講座も、スマホアプリで勉強を進められるようになっています。
番外編|実務で使う会計ソフトはこんな感じです
簿記試験では、すべてが計算機での手作業になりますが、実務では会計ソフトを使用するケースが大半です。
最初は使い勝手が分からず戸惑いますが、慣れてしまえば入力自体はルーチン作業なので、難しいことはありません。
結局は、コツコツと正しい仕訳入力を積み重ねて、スムーズな決算に結びつけることが目的になります。
こちらでは、経理初心者の方でも気軽に使える会計ソフトをご紹介します。
個人使用であれば、無料で使用できるものもあります。
実務で使う会計ソフトがどんな感じか見てみたい方は、会員登録をすれば自宅でも使用できるようになります。
弥生会計オンライン
弥生会計は、昔から長く使われている老舗会計ソフトです。
私も個人事業主として、絶賛使用中です。
弥生会計のなかでも、やよいの白色申告オンラインなら、ずっと無料で使うことができます。
とりあえず、会計ソフトを無料で触ってみたい方には、こちらがおすすめです。
私のブログでは、オンライン会計ソフトに関する記事も書いています。
気になる方はぜひ、こちらもご覧ください。
≫フリーランス/個人事業主におすすめのクラウド会計ソフトは?【やよいの白色申告オンラインはずっと無料】
freee
freeeは、経理に詳しくない方でも直感的に作業できるよう、入力画面が工夫されているクラウド会計ソフトです。
経理にあまり明るくない個人事業主にも人気で、最初の30日間は無料でお試し利用することができます。
マネーフォワード
こちらも同じくクラウド型の会計ソフトです。
こちらはfreeeと比較すると、入力画面から割ときちんとした仕訳入力を求められます。
正しく日常仕訳を入力していくことで、自動的に決算書類が出来上がる仕組みになっています。
上記の3つは、使い勝手や価格面から、個人事業主に人気のクラウド会計ソフトになります。
実際に会計ソフトを触ってみると、実務では経理をどんな感じで進めていくのか理解できますよ!
ご質問がある場合はこちらからどうぞ
当ブログでは、記事に関連する内容で、読者のみなさんの「これって実際どうなの?」という疑問質問に対し、できるだけ答えられるものを書きたいと考えています。
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100%対応できるかはわかりませんが、自身の経験を活かしてできるだけ多くの方の疑問に答えられるブログにしたい というのが、私の想いです!
まとめ
今回は、経理/起業のスタートラインである簿記3級について、詳しく解説させて頂きました。
今回の記事で、簿記3級取得から将来の経理実務まで、全体像をなんとなく掴んで頂ければ幸いです。
明日をちょっと変えてみたいと考えている方には、資格取得や新しいツールの導入にチャレンジして頂きたいなと思います。
人生に「遅すぎる」ということはありませんよ。
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最後まで読んでいただきまして、まことにありがとうございました。
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