いちばん最初に「医療用ウィッグを買う」と決めたとき、もっとも不安だったのは「いくら位で揃えられるのか?」ということでした。

私は、2003年当時25歳で経験した治療をきっかけに、ウィッグやヘアピースを使うようになりました。
当時の私は美容師で、お客様にウィッグを提案する立場でもありましたが、実際に自分が使う側になって初めてわかったことがたくさんあります。
今回の記事では、
- 私がこれまで使ってきた医療用ウィッグのリアルな体験談
- 購入時に利用した「助成金制度」についての体験談
- 実際に良かった商品・注意点
を、40代元美容師の目線でまとめました。

これから医療用ウィッグを検討しているけど、失敗したくない…
どんな商品を選べば自然に見えるの?

そんな方に、少しでも参考になれば嬉しいです。
🌿医療用ウィッグ体験談 2003~2004年(25~26歳頃)

2003年当時の背景
私が初めて医療用ウィッグを購入したのは、2003年当時25歳のことでした。
2003年当時は、現在ほど若年層の同病患者が多くなく、「若い人向けの医療用ウィッグ」という選択肢もほとんどなかった時代です。
そのため、ウィッグを探そうと思っても、選べるのは、
- 手頃な価格のファッションウィッグ(と言っても、当時はそこまで安いものはなかった)
- デパートなどで扱う高額な医療用ウィッグ(年配の方向けデザイン中心)
の2択しかありませんでした。
極端な選択肢しかなかったのです。
さらに2003年当時の患者は、最初の入院中に手術から投薬治療までを行うスケジュールだったので、治療が始まる前にウィッグを準備しておく必要がありました。
告知を受けて不安な気持ちのなか、地元のファッションビル(パルコ)へ、一人でウィッグを見に行ったことを今でも覚えています。
行くまでは暗い面持ちで足取りも重かったですが、実際にお店で試着してみると、思っていたよりも可愛くて、少し気持ちが明るくなったのを覚えています。

当時はまだ「若い女性が日常使いできるウィッグ」の種類が少なかったので、「自分にも合うものがあるんだ」と感じられたあの瞬間が、私にとっての最初の一歩でした。
2003年当時の購入商品と選び方

当時購入したウィッグは、さすがにもう手元には残っていませんが、今のラインナップで言えば、ピンクエイジ や ブライトララ の商品に近いタイプだったと思います。
当時訪れたウィッグショップ(実店舗)は、いわゆる「ギャル向け」の雰囲気で、明るいカラーや華やかなスタイルが多かったのを覚えています。
私自身はギャルではありませんでしたが、美容師をしていて髪を明るくしていたこともあり、「せっかくだから明るい色を楽しもう」と思って、ハイトーンのウィッグをいくつか揃えました。
いちばん最初に購入したのは当時で7,000円前後のウィッグで、その後は洗い替え用も含めて5〜6個ほど購入しました。
私の場合は、治療終了から自毛デビューまで約1年半かかったので、複数のウィッグをローテーションしながら使う生活が自然に身についていきました。
今のピンクエイジ やブライトララのように、お手頃さとおしゃれさを両立したショップがたくさんあれば、当時の私ももう少し気持ちがラクになったかもしれません。

それでも、「ウィッグで髪色を自由に楽しめる」ことが、気持ちを明るくしてくれたのは確かでした。
下記は、25歳当時の私が使用していたものにイメージが近いものを持ってきました。
参考商品▶ サロンカラーフルウィッグ)レアパーマ エイリーン オンブレ 8,100円/ピンクエイジ
参考商品▶ リラックスセミロング 3,980円/ブライトララ
2003年当時のウィッグ生活で感じたこと・工夫していたこと

美容師という職業柄、実はウィッグに関してそこまで大きな苦労はありませんでした。
周りの若手スタッフもハイトーンカラーの方が多く、職場全体が華やかな雰囲気だったので、ウィッグを着けていても誰も気にすることはありませんでした。
むしろ「今日はどんな色にするの?」と楽しそうに声をかけてくれることもあり、ウィッグを前向きに受け入れられたのは、この職場環境のおかげだったと思います。
そして何より助かったのは、信頼していた先輩美容師がウィッグを無料でカットしてくれたこと。

どんなに手頃な価格のウィッグでも、カットでシルエットや毛先の重さを少し整えるだけで、ぐっと自然に見えるようになりました。
この経験からも感じたのは、

ウィッグは買ったままではなく、少しでも「自分仕様」に手を加えると、使いやすくなる!
ということ。
自分に合う長さや毛流れに調整するだけで、毎日の使いやすさも気持ちの明るさも大きく変わります。
参考記事▶ ウィッグカットは普通の美容院でできるの?自分でできるの?
🌿医療用ウィッグ体験談 2020~2021年(42~43歳頃)

ウィッグを再び使い始めた理由
40代になった私は、再びウィッグを使うことになったのですが、2003年当時とは別の部位での病気発症がきっかけでした。
2020年の発症時も手術と投薬治療が必要になり、ふたたびウィッグを準備することになりました。
ただ、2003年当時と比べると、医療用ウィッグの選択肢が格段に増え(ネット通販も増え)、デザインも自然でおしゃれなものが多くなり、前向きに選べたのが印象的でした。
そしてこのとき初めて知ったのが、「ウィッグ助成金制度」の存在です。
2度目の病気発覚後に私は「患者会」に所属していたのですが、そこで助成金制度の存在を教えてもらいました。

その後、通院先の「患者支援センター」に質問しに行くなどして、自分の住む自治体で制度が利用できるかを調べたのがきっかけです。
ウィッグ助成金制度を知ったきっかけと利用経験

40代で再びウィッグを使うことになったとき、初めて知ったのが「ウィッグ助成金制度」でした。
きっかけは、私が登録していたSNS患者会上の書き込みです。
患者会のなかでは日常的に、ウィッグに関する情報交換が活発に行われていました。
SNS患者会では、
- 誰かがウィッグに関する質問をすると、経験者が答える形で購入先情報がシェアされたり
- ウィッグ着用画像を投稿する方がいたり
- ウィッグ助成金を申請できて助かった、という体験談が共有されていたり
などなど、数え切れないくらいの情報を患者会から得ることができました。
ただしウィッグ助成金制度は、全ての自治体で導入されているわけではありません。
また、自治体や申請タイミングによっては、助成額・助成割合・対象範囲が異なるため、注意が必要です。
私の住んでいる地域でも最近確認したところ、私が申請した当時よりも助成割合が増えていました。

確認する場合は、お住まいの自治体ホームページや通院先の患者支援センターを利用すると安心です。
💰️助成金額や上限額の例(私の地域の場合)
- 購入費用(税込)の50%が助成対象
- 上限は30,000円助成
(=ウィッグ6万円までの購入費なら半額が戻ってくる計算) - 申請や請求の期限は、購入翌日から1年以内
✏️申請から助成金交付までの流れ例(私の地域の場合)
- お好きなウィッグを購入(購入時に必ず領収書を受け取る)
- 申請者は「申請に必要な書類」を、◯◯市「〇〇センター」に提出
- ◯◯市が申請内容を審査し、申請者に交付決定通知書を郵送
- 交付決定後、おおむね1か月以内に指定口座に助成金が振り込まれる

実際に助成金の申請・受給を経験しましたが、とくに難しいことはなかったですよ!
🌿医療用ウィッグ体験談 2023年~(45歳頃~)

再びウィッグを使い始めた理由
2022年の秋から2023年の春にかけて、私は入退院を繰り返していました。
2020年に発症した病気の最後の治療を続けていたところ、発熱が治まらなくなり、服薬を中止して入院し、原因を探ることになったんです。
なかなか体調が安定せず、入院生活が数カ月に長引いたころから、頭頂部の髪の毛が抜けやすくなっていきました。
ようやく退院できた2023年の春、鏡を見て自分の薄毛に気づいたときは、正直かなりショックでした。
\当時の頭頂部はこんな感じでした/

でも、「全頭脱毛ではないし、カバーできる範囲ならウィッグに頼ってみよう」と思い、最初は気軽に着けられるヘアピースから探し始めました。
使っていくうちにだんだんと、
- 使用開始時全部抜けているわけではないけど、フルウィッグをかぶる方がラクな日もある
- 夏季暑い日は、ヘアピースのほうがラクかも
- 同年冬季季節や気分に応じて、ウィッグとヘアピースを使い分けたらラクなのでは?

と思うようになり、今ではヘアピースとフルウィッグを併用しているのですよ!
使用フルウィッグ例▶ 部分手植え人毛MIX サラ/ブライトララ
\商品画像/
\にゃんた着用画像/

着用商品▶ 医療用ウィッグ 部分手植え人毛MIX サラ レイヤーミディ 29,800円/ブライトララ
にゃんたの着用レビューはこちら
\にゃんた着用画像/

フルウィッグの中では締めつけ感が少なめで、ラクに着けられます。
手植え部分も多くて重さも軽め。人毛MIXなので見た目の質感が自然で、ツヤがちょうどいいです。
初めてフルウィッグを使う方でも扱いやすく、ブラッシングやシャンプーなどのお手入れも簡単。
「一日中かぶっていても疲れにくい」という点では、かなり優秀でした。
商品ページ▶ 医療用ウィッグ 部分手植え人毛MIX サラ レイヤーミディ 29,800円/ブライトララ
にゃんたの着用レビュー▶ ブライトララ口コミ|人毛MIXウィッグ着用レビュー【写真あり】
使用ヘアピース例▶ 地肌風総手植え x 人毛 BHADS812/私元気
\商品画像/
\にゃんた着用画像/

着用商品▶ 地肌風総手植え x 人毛 BHADS812 長さ25cm 29,700円/私元気
にゃんたの着用レビューはこちら
\にゃんた着用画像/

値段だけを見ると少し高めですが、実際に使ってみてその理由がわかりました。
引き抜き式+総手植えの二重構造で、どこで分け目を作っても本当に自然。
難しくスタイリングをしなくても自然になってくれるので、朝の支度がぐっとラクになりました。
通気性もよく、長時間つけていても蒸れにくいのも嬉しいポイント。
商品ページ▶ 地肌風総手植え x 人毛 BHADS812 長さ25cm 29,700円/私元気
にゃんたの着用レビュー▶人毛100%ヘアピース本人着用レビュー&3点比較!薄毛女性にぴったりの理由【私元気】
フルウィッグとヘアピースを使い分けてみて
\こちらはヘアピース/

\こちらはフルウィッグ/

ヘアピースはピンで留めるタイプなので、同じ位置に毎日使うと、頭皮や髪への負担が気になります。
一方、フルウィッグは締めつけ感や暑さがネック。
そこでここ数年の私は、
- 外出が多い日やきちんと見せたい日はフルウィッグ
- ちょっとした買い物や家族と出かける日はヘアピース
といった感じで、使い分けをしています。

このスタイルが自分にはいちばん合っていて、
「今日はどちらを使おうかな」と選ぶ時間も前向きに感じられるようになりました!
ウィッグ選びのポイントが2003年/25歳当時と変わった点
2003年に初めてウィッグを使い始めたときと比べると、今のウィッグ選びは本当に変化しています。

当時は選択肢が少なかったのもあり、「とにかく予算内で」「対象年齢層が近そうなもので」という要素が大きかったです。
現在は「自分らしく過ごすためのアイテム」として、数ある選択肢から納得してウィッグを選べるようになったと思います。
■1. ウィッグの「目的」が変わった

にゃんた着用ウィッグ▶ 素肌ウィッグ 竹 ボブ(人工毛ルームウィッグ) 6,480円/ブライトララ
着用レビュー記事▶ おすすめルームウィッグ ブライトララの素肌ウィッグボブを着用レビュー!
2003年当時は25歳という若さであり、
美容師という職業柄もあり、
それなりにオシャレに気を遣っていたため、
ウィッグは、「外に出るためにはないと困るもの」という感覚でした。
でも現在は、「気持ちを前向きにしてくれる」「外に出たくなる」ようなアイテム。
仕事やプライベートでも、「自然で、長時間つけていても快適に過ごせること」を第一に考えるようになりました。
■2. 素材・質感の進化

にゃんた着用ウィッグ▶ セミ手植えフルウィッグ) ウィンドパーマ セシリア (人工毛) 15,000円/ピンクエイジ
着用レビュー記事▶ ピンクエイジはバレるのか?フルウィッグ本人着用レビュー|40代美容師ブログ
2003年当時の人工毛ウィッグはツヤ感が強く、静電気で広がったり毛先がチリついたりすることも多かったです。
今は、人毛MIXや高品質ファイバーなど、素材の種類がかなり増え、手触りや見た目がぐっと自然になりました。
アイロンやドライヤーも使えるタイプが増えたので、スタイリングの自由度も高いです。
■3. デザインやカラーの選択肢

にゃんた着用ウィッグ▶ 医療用ウィッグ 人毛50% ルフレボブ 16,800円/ブライトララ
着用レビュー記事▶ ブライトララ人毛MIXウィッグ着用レビュー|40代主婦がインナーカラーに挑戦
2003年当時は「ギャルっぽい派手なウィッグ」か「年配向けの落ち着いたもの」の2択しかなく、25歳の自分にはちょっと極端な選択肢でした。
でも今は、自然なブラウンやアッシュ系、くすみカラーにインナーカラーなど、年齢を問わず楽しめる色やデザインが増えています。

「医療用=年配の方向けの地味なスタイル」というイメージもなくなって、ファッション性が高いものが多くなりましたね。
■4. 購入経路と試着環境

自宅で無料試着できるショップ例▶ 医療用ウィッグアンベリール
商品レビュー記事▶ アンベリール医療用ウィッグは自宅で無料試着OK|カット込みで自分に似合う1点を選べます
昔は実店舗に行くしかなく、地方では選べるお店がほとんどありませんでした。
今はネット通販でも品質の良い医療用ウィッグが買えるし、サイズ・色の交換や返品に対応しているお店も多いです。

また、自宅で試着できるサービスも増えてきたので、ゆっくり納得しながら選べるようになりました。
\こちらのヘアピースも試着してから決めました/

にゃんた着用ヘアピース▶ 地肌風総手植え×人毛 BHADS812 25㎝ 29,700円/私元気
着用レビュー記事▶ 人毛100%ヘアピース本人着用レビュー&3点比較!薄毛女性にぴったりの理由【私元気】
■5. 医療ウィッグとしての認知度

にゃんた着用ウィッグ▶ 医療用ウィッグ 部分手植え人毛MIX サラ 29,800円/ブライトララ
着用レビュー記事▶ ブライトララ口コミ|人毛MIXウィッグ着用レビュー【写真あり】
2003年当時は「医療用ウィッグ」という言葉自体、まだ一般的ではなかったと思います。
でも今は、病院や自治体でも案内されるほど認知が広がり、助成金制度の対象にもなっています。
社会全体が「病気による脱毛」に理解を示すようになり、患者にとっても心強い環境になったと感じます。
まとめ/これから医療用ウィッグを選ぶ方へ
初めてウィッグを使った25歳の頃は、初回入院と初回治療が同時だったこともあり、「とにかく早く準備しなきゃ」と焦っていました。
でも、今思うのは「焦らなくても大丈夫」ということ。
ウィッグは「治療のために必要だから仕方なく使うもの」ではなく、
「自分が気持ちよく過ごすための味方」なんです。
使い心地や見た目の自然さも大切ですが、
それ以上に「これなら外に出られる」「またおしゃれを楽しめる」と思えるかどうか。
その気持ちが何より大事だと思います。
助成金制度や通販、試着サービスなど、今は選択肢がとても増えています。
どんな形でも、「自分に合うウィッグを見つけること」は、必ずあなたの毎日を明るくしてくれます。

私自身も、何度も治療や脱毛を経験してきましたが、
そのたびにウィッグに助けられてきたと感じています。
だからこそ、これから医療用ウィッグを選ぶ方にも、
安心して前を向ける一歩を踏み出してもらえたら嬉しいです。
✏️参考記事
医療用ウィッグとファッションウィッグの違いをもっと詳しく知りたい方はこちら
▶ 医療用ウィッグと普通のウィッグの違いは?
ウィッグ・ヘアピースのご相談について
「これ、自分のケースに合うかな?」「実際の使い勝手はどうなんだろう?」
そんなふうに迷われる方がとても多いです。
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