医療用ウィッグって、いつ準備すればいいの？
治療が始まってからでも間に合う？
はじめて抗がん剤治療を受ける方の多くが、最初に直面するのがこの「タイミングの問題」です。
私は、2003年（25歳）と2020年（42歳）の2回、治療による全頭脱毛を経験しました。
さらに、罹患1回目当時の私は現役美容師でした。
＼美容師時代に使っていたシザーケースです／
若い頃の「周りからどう見られるか」への不安も、40代での「生活のしやすさ」を重視したい気持ちも、どちらも痛いほど分かります。
今回の記事では、実体験と美容師としての知識をもとに、
- 医療用ウィッグをいつ準備すべきか
- どのくらいの期間使うのか（寿命や買い替え目安も含めて）
を中心に、リアルなスケジュール感を解説していきます。
はじめてのときは、どこにお店があるのか分からないため、出先で見つけるたびにウィッグを買っていました。
2回目のときは、経験を活かして「焦らず・無理せず」準備できたんです。
💠医療用ウィッグの準備は「脱毛前」が理想
結論から言うと、医療用ウィッグの準備は、
「脱毛が始まる前」＝治療開始前〜初回投与のタイミング が理想です。
抗がん剤による脱毛は、投与開始から2〜3週間後に始まることが多いため、その前に試着や注文を済ませておくと安心です。
●準備の理想スケジュール（目安）
- 治療開始前
検査診断段階・ウィッグ情報を集める
・試着予約を入れる - 初回投与前
〜直後・実際に購入
・カット調整を行う - 投与2〜3週後・脱毛が始まる
・ウィッグ使用スタート
私の場合、最初の治療のときは、脱毛が始まってから慌てて探しました。
はじめての時って気持ちが不安定で、ウィッグ以外にも考えることがたくさんあるんですよね。
だからこそ、少し早めの行動が心の余裕につながります。
また、医療用ウィッグは購入後にカット調整をしたり、扱い方の習得が必要になる場合も多いです。
そのため、美容師や専門スタッフに相談できる環境を確保しておくと安心です。
治療が始まる前に「信頼できる相談先」を見つけておくのも大切な準備のひとつです。
参考記事▶ ウィッグカットは普通の美容院でできるの？自分でできるの？
💠医療用ウィッグの使用期間はどれくらい？
医療用ウィッグの平均的な使用期間は、約6ヶ月〜1年が目安です。
これは「髪が生えそろい、地毛で外出できるようになるまで」の期間を指します。
●回復期の目安スケジュール
- 治療終了後
2〜3ヶ月うっすら地毛が生え始める
(細いくせ毛風の感じ) - 治療終了後
6ヶ月頃・髪全体が短く立ち上がる
・外出時はウィッグを継続使用 - 治療終了後
9〜12ヶ月頃髪型によっては、ウィッグなしで外出可能になる人も(ショートヘア)
ただし、これはあくまで平均です。
治療内容や体調・髪質の違いによって、個人差があります。
私の場合、25歳当時は地毛がロングだったので、2年くらいはウィッグで日常生活を送っていました。
43歳のときは、「ここ数年ずっとショートだったし、まだまだ短いけど外してしまえ」と思えたんです。
年齢や生活環境によって、気持ちや価値観も変わるんですよね。
＼脱ウィッグ当時のわたし(43)です／
また、ウィッグは使い続けるうちに、毛先の絡みやツヤの低下が目立ってきます。
質感や使い心地を考えると、半年〜1年を目安に買い替えを検討するのがおすすめです。
💠寿命を伸ばすためのケアと使い分け
医療用ウィッグを長く快適に使うためには、日々のケアと使い分けがとても大切です。
どんなに品質の良いウィッグでも、日々のブラッシング・アイロンによるダメージ・シャンプーなどによって、少しずつ傷みが進んでいきます。
●寿命を延ばす3つのポイント
1.ブラッシングは「毛先から」
引っかかった部分を無理にとかすと、抜け毛や絡まりの原因になります。
毛先→中間→根元の順に、やさしく整えましょう。
＼ウィッグ専用ブラシは金属製
静電気が起きにくい構造／
参考記事▶ ウィッグスタンドは代用品で大丈夫？一緒に揃えたいものからお手入れまで完全マニュアル！
2.シャンプーは2〜3週間に1回が目安
頻度が多すぎると劣化を早めることも。皮脂やスタイリング剤が気になるときだけ、専用シャンプーで洗うのがベストです。
＼ウィッグ専用シャンプーはこんな商品／
ポチップ
参考記事▶ ウィッグやヘアピースのシャンプー方法と乾かし方は？
3.保管時は「風通しと形キープ」を意識
ウィッグスタンドやウィッグ専用ネットを使用し、直射日光・湿気を避けるだけでも大きく変わります。
＼ウィッグ販売店で必ず売っています／
ポチップ
参考記事▶ ウィッグスタンドは代用品で大丈夫？一緒に揃えたいものからお手入れまで完全マニュアル！
また、外出用と自宅用でウィッグを2つ持つのもおすすめです。
自宅では医療用帽子やケア帽子を使えば、頭皮の蒸れも防げてリラックスできます。
結果的にウィッグの寿命も延び、毎日のストレスも減ります。
参考記事▶ 人気の医療用帽子をご紹介！おしゃれな外出用や髪の毛付きもあります◯
💠医療用ウィッグの価格と選び方の目安
医療用ウィッグは、素材や製法によって価格の違いがあります。
自分のライフスタイルや好みを振り返り、条件に合うものを選ぶのがポイントです
| タイプ | 特徴 | 価格の目安 |
|---|---|---|
| 人工毛ウィッグ | お手入れが簡単で スタイルが崩れにくい | 約6千円台〜3万円 |
| 人毛ミックス | 自然さと扱いやすさの バランスが良い | 約1万円台〜12万円 |
| 人毛100％ | 手触り・見た目が自然 カスタム性が高い | 約2万円台〜20万円以上 |
●購入場所別の特徴
- 病院・医療サロン▶ 専門スタッフが対応 安心感が高い
- ウィッグ専門店▶ デザイン・サイズ展開が豊富
- 通販サイト▶ 価格が比較的安く、時間を気にせず選べる
美容師として感じるのは、「高ければいい」ではないということ。
自分の日常生活で扱いやすく、気持ちよく過ごせることが一番大切です。
初めての方はまず、人工毛か人毛MIXから始めるのがおすすめです。
扱いやすく価格面でも負担が少ないため、「自分に合うスタイル」を見つけやすいでしょう。
参考記事▶ 医療用ウィッグの選び方｜素材・製法・ブランド別に40代美容師が解説
💠脱ウィッグ後はどうする？次のステップへ
治療が終わり、少しずつ髪が伸びてきた頃。
「もうウィッグを外してもいいのかな？」と悩む方が多いです。
平均的には、治療終了から半年〜1年ほどで、地毛だけで外出できるようになる方が増えます。
ただし、毛量や髪質の変化によっては、頭頂部が薄く感じたり、うねり・クセが強く出たりすることもあります。
そんな時に役立つのが、部分ウィッグ（ヘアピース）です。
トップ部分に自然にボリュームを足せるため、フルウィッグからの移行がとてもスムーズです。
私も「脱ウィッグ期」は、髪の量や形が落ち着かず、途方に暮れていました。
でも、ヘアピースを使うようになって、「焦らなくても、じゅうぶん自分らしくいられるな」と感じるようになりました。
＼これぜんぶヘアピース着用中です／
ウィッグを完全に外すことがゴールではなく、「今の自分に合ったスタイルで快適に過ごす」ことが大切です。
参考記事▶ 女性の薄毛カバー用部分ウィッグおすすめ商品は？美容師が4商品を徹底比較！
💠まとめ 〜あせらず自分のペースで準備を〜
医療用ウィッグの準備や使用期間には、正解はありません。
ただひとつ言えるのは、「少し早めに準備しておく」ことが、心の余裕につながるということ。
私自身、2回の治療を通して感じたのは、
ウィッグは「見た目を隠すためのもの」ではなく、「日常を支えてくれる相棒」だということです。
焦らず、自分のペースで準備を進めて大丈夫です。
そして、どんなタイミングでも「あなたらしさ」を大切にしてほしいと思います。✨️
あなたに合う医療用ウィッグを見つけよう
医療用ウィッグの準備は、「焦らず、でも遅れすぎず」がポイントです。
次は、素材やブランド、価格の違いを知って、自分にぴったりのウィッグを見つけましょう☺
▶ 医療用ウィッグの選び方｜素材・製法・ブランド別に40代美容師が解説
ウィッグ生活の終わりも、次のヘアスタイルの始まりです🌸
「脱ウィッグ後、どんなスタイルで過ごそう？」と思ったら、こちらも参考にどうぞ。
▶ 女性の薄毛カバー用部分ウィッグおすすめ商品は？美容師が4商品を徹底比較！
自分のペースで大丈夫。
経験者として、あなたの「今日からの一歩」を心から応援しています🍀
ウィッグ・ヘアピースのご相談について
「これ、自分のケースに合うかな？」「実際の使い勝手はどうなんだろう？」
そんなふうに迷われる方がとても多いです。
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